「私利私欲」とは、「自分の利益と欲求のことだけを考えて行動すること」という意味があります。
しかし、私利私欲の意味がわかったところで、その正しい使い方やシチュエーションを理解しておかないと、間違った解釈をしたまま恥ずかしい思いをするかもしれません。
そうならないように、この記事で私利私欲の意味に加えて、正しい使い方を例文も交えてわかりやすく解説しておりますので、最後まで読んでこれから活用できるようにしてくださいね!

あの人って、結局自分の得ばっかり考えてたよね。

ほんと、私利私欲丸出しって感じだった。
「私利私欲」の意味とは?わかりやすく解説
「私利私欲」とは、しりしよくと読み、自分の利益と欲求のことだけを考えて行動すること。という意味があります。
私利私欲の意味を辞書で調べると、このように解説されております。
【私利私欲の意味】
コトバンクより引用
- 自分の利益を第一に考え、それを満たそうとする気持ち。
「私利私欲に目がくらんで信用を失う」
「私利私欲」の意味
私利私欲(しりしよく)とは、自分の利益や欲望だけを優先して行動することを意味する四字熟語です。簡単に言うと、「自分さえよければいい」という考え方や態度を指します。日常ではあまり良い意味では使われず、少し批判的なニュアンスを含みます。
「私利私欲」の意味の概要
この言葉は、個人の利益や欲望を最優先に考え、他人や社会全体のことをあまり考えない状態を表します。「私利」は自分の利益、「私欲」は自分の欲望を指し、両方が揃って初めて「私利私欲」となります。自分中心の行動や判断を強く表す言葉です。

「私利私欲」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!

私利私欲とは、自分の利益や欲望ばかりを優先して考えることなの。つまり、自分さえよければいいって態度を指すのね。仕事や友達関係、政治の場面でもよく使われる言葉で、他人や社会のことをあまり考えず、自分のことだけを優先する行動を批判するときに使うのよ。
「私利私欲」の語源や由来
私利私欲の語源や由来は以下のとおりです。
【私利私欲の語源や由来】
四字熟語辞典より引用
- 自分の利益と欲求のことだけを考えて行動すること。
「私利」は私的な利益を得ること。
「私欲」は私的な欲望を持つこと。
公共の利益よりも個人的な利益を優先する身勝手な態度のことをいう言葉
「私利私慾」とも書く。
「私利私欲」の語源や由来
「私利私欲」という言葉は、もともと中国の古典や儒教の教えに由来する四字熟語です。古代中国では、人が自分の利益や欲望ばかりを追い求めると、社会や人間関係が乱れると考えられていました。そのため、「自分のことばかり考えず、他人や社会のことも大切にしなさい」という戒めの意味で使われてきました。
例えば、中国の儒教の古典『論語』には、「利己ばかりを追わず、他人のことも思え」という考え方が記されており、これが「私利私欲」という概念の元になっています。
日本には平安時代や鎌倉時代に伝わり、武士や政治の世界でも「私利私欲に走ると秩序が乱れる」として注意を促す言葉として使われました。たとえば、戦国時代の史書や日記には、「私利私欲を捨て、国のために尽くすべきだ」といった表現が見られます。
現代では、仕事や友人関係、政治の場面で、自分の利益ばかり考える態度を批判するために使われます。日常生活で言えば、例えば友達の相談を聞かずに自分の得になることだけを優先する人や、会社で自分の昇進だけを考えてチームを無視する人の行動を「私利私欲」と表現することができます。
こうして「私利私欲」は、古代から現代まで、人としての正しい行動やモラルを考えるうえで重要な意味を持つ言葉として生き続けているのです。
「私利私欲」の使い方を例文でわかりやすく解説
それでは、「私利私欲」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。

私利私欲ってどういう場面で使ったりするの?

『私利私欲』はね、自分の利益や欲ばかりを優先するときに使う言葉よ。たとえば、仕事で自分の出世だけを考えてチームのことを無視するときや、友達との遊びで自分の希望だけを優先するときに使えるの。政治や社会の話で、権力者が自分の利益だけを追うときにもね。つまり、自分のことばかり考えて周りに迷惑をかける態度を指す言葉なの。日常でも、仕事でも社会でも使える便利な言葉なのよ。

「私利私欲」という言葉は、次のような場面で使われることが多いです。
- 仕事や会社で、自分の利益ばかりを優先して行動する人を注意するとき
- 友達やグループ内で、自分の都合ばかりを優先する態度を指すとき
- 政治や社会問題で、権力者や組織のリーダーが自分の利益だけを考えて行動するとき
- 学校やクラブ活動で、チームのことを考えずに自分の得になることだけをする場合
- 家族や家庭内で、自分の欲望や利益ばかりを優先して問題が起きたとき
「私利私欲」を使うときには、次の点に注意してください。
- 相手を直接責めすぎない:強く言いすぎると喧嘩になることがあります。
- 文脈を選ぶ:日常会話では少し硬い言葉なので、学校やビジネス、文章で使うほうが自然です。
- 批判的な意味が強い:使うときは「自分の利益ばかり考える」という否定的なニュアンスを理解しておきましょう。
私利私欲の例文①
会議で、自分の出世だけを考えて行動する同僚を指摘する場面。

あの人、会議で自分の利益ばかり考えてるよね…

そうね、それってまさに『私利私欲』ね。

ここでの『私利私欲』は、自分の出世や得だけを優先して、チーム全体や会社の目標を無視して行動する態度を表しています。たとえば、会議で自分の提案や発言ばかり目立つようにして、チーム全体にとって良い意見を無視している場合です。このような行動は、他の人に迷惑をかけることもあり、『私利私欲』という言葉で批判的に表現できるんです。
私利私欲の例文②
友達のグループで、自分の都合だけで行動する人を話題にしている場面。

みんなで遊ぶ計画なのに、彼は自分が行きたいところだけを選んでるよ。

ああ、それってまさに私利私欲よね

この場合、『私利私欲』は友達やグループ全体の楽しみよりも、自分の希望や利益を優先する態度を指しています。たとえば、みんなで行く旅行の計画なのに、自分の行きたい場所だけを選ぶと、他のメンバーは楽しめなくなるかもしれません。このように、他人のことを考えずに自分の得だけを追い求める行動が、『私利私欲』として説明できるんです。
私利私欲の例文③
政治や社会問題で、権力者が自分の利益だけを優先していることを批判する場面

最近のニュースで話題になっているあの政治家、自分の利益しか考えていないみたいだね。

そう、完全に私利私欲に走っているね

ここでは、『私利私欲』は権力者や政治家が市民や国のためではなく、自分や仲間の利益だけを追い求める行動を指しています。たとえば、法律や政策を自分の懐や選挙での得票につなげるためだけに作った場合です。このように、社会全体のことよりも自己中心的な利益を優先する場合に、『私利私欲』という言葉を使うことで、その行動の問題点をわかりやすく表現できます。
「私利私欲」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説
「私利私欲」は以下のような簡単な言葉に言い換えて表現することができます。
【私利私欲の言い換え表現】
- 自分勝手
- 自分の利益ばかり考える
「自分勝手」の例文
「自分勝手」は、自分の都合や利益ばかりを優先して、他人のことを考えない行動や態度を指す言葉です。
「私利私欲」とほぼ同じ意味で使えますが、四字熟語よりも日常会話で自然に使える言葉です。カジュアルに友達や職場で注意するときにも使いやすい表現です。

Bさん、みんなの意見を無視して自分のやりたいことばかりやってるよね…

うん、それって本当に自分勝手だね。

ここでは『自分勝手』を使うことで、『私利私欲』と同じ意味を、より日常的に表現しています。みんなで何かを決めるときに、自分の希望だけを優先する態度を指しています。四字熟語よりやわらかく、友達同士でも使いやすい表現です。
「自分の利益ばかり考える」の例文
「自分の利益ばかり考える」は、そのままの意味で、自分に都合のいいことや得することだけを考えて行動することを表します。「私利私欲」と同じく批判的な意味を持ちますが、文章や会話でそのまま説明的に使えるので、相手にわかりやすく伝えやすい表現です。

Cさん、いつも自分の得になる案ばかり出してるね…

ええ、完全に自分の利益ばかり考えているわね。

この場合は『自分の利益ばかり考える』という言葉を使うことで、わかりやすく『私利私欲』の意味を説明できます。『私利私欲』は少し硬い言葉ですが、この表現なら誰でも理解でき、具体的にどんな行動かも想像しやすいです。
「私利私欲」の類義語
「私利私欲」には、以下のような類義語があります。
【私利私欲の類義語】
スッキリより引用
- 我利私欲(がりしよく):自分自身の個人的な利益のみを追い求めること。
- 損得勘定(そんとくかんじょう):得か損かということを基準にものを考えること。
「我利私欲」の例文
我利私欲(がりしよく)は、自分の利益や都合だけを優先し、他人や社会のことを考えない態度を表す四字熟語です。
「私利私欲」とほぼ同じ意味で使われますが、少し硬い表現で、文章や説教、論文などでよく見られます。日常会話ではあまり使わないため、書き言葉向きです。
会社で、他の社員のことを考えず自分の昇進だけを優先する人の話。

F係長、部下の意見を無視して、自分の出世だけ考えてるよね。

そうね、完全に我利私欲で行動してるね。

ここで使われている『我利私欲』は、まさに『自分の利益や都合だけを考える』という意味です。『私利私欲』と同じですが、文章やニュース、論文など硬めの文脈で使われやすい表現です。日常会話より書き言葉向きで、少し重みのある批判のニュアンスを持っています。
「損得勘定」の例文
損得勘定(そんとくかんじょう)は、自分にとって得か損かを考えて行動することを表します。
必ずしも悪い意味ではありませんが、利益や損失ばかりを優先して行動すると、批判的な意味で「私利私欲」と同じように使われることがあります。日常生活や仕事の場面でよく使われます。
友達と遊ぶ計画で、自分にとって得なことだけ選ぶ人の話。

Hさん、遊ぶ場所も自分が安く済むところばかり選んでるね。

そうね、Hさん、まさに損得勘定ばかりしてるわね。

ここでの『損得勘定』は、自分にとって有利か不利かだけを考えて行動していることを指しています。『私利私欲』よりも具体的で、日常会話で使いやすい表現です。友達同士の行動やビジネスの判断など、幅広い場面で使えます。ニュアンスとしては、『利益ばかり気にする』という意味合いが強く、ややカジュアルな印象です。
「私利私欲」の対義語
「私利私欲」の対義語を辞書で調べると以下の通りです。
【私利私欲の対義語】
スッキリより引用
- 無欲無私(むよくむし):自分の利益や欲望を追い求めないこと。
- 恬淡寡欲(てんたんかよく):無欲でさっぱりしていること。
「無欲無私」の例文
無欲無私(むよくむし)は、自分の利益や欲望にとらわれず、他人や社会のために行動することを意味します。私利私欲の反対語として、純粋に利他や奉仕の心を表す四字熟語です。
文章や会話で使うと、高い人格や徳を評価するニュアンスを持ちます。
ボランティア活動で、自分の利益を求めずに尽力する人の話。

A先生って、いつも生徒のためだけに時間を使ってるよね。

ええ、まさに無欲無私ね。

ここでの『無欲無私』は、『自分の利益や欲望を求めず、他人や社会のために尽くす』という意味です。『私利私欲』とはまったく逆で、自己中心的ではなく利他的な態度を表しています。文章や会話で使うと、相手の高い人格や奉仕の心を褒めるときにぴったりです。
「恬淡寡欲」の例文
恬淡寡欲(てんたんかよく)は、心が穏やかで欲が少なく、物事に動じない様子を表す四字熟語です。自分の利益や欲望にとらわれず、自然体で落ち着いて生きる人に使われます。私利私欲の反対語として、精神的な清らかさや簡素な生き方を強調したいときに適しています。
職場で地位や報酬にこだわらず、淡々と仕事をこなす人の話。

B先輩、昇進とかボーナスのことあまり気にしてないよね。

ええ、恬淡寡欲で淡々と仕事してる感じね。

『恬淡寡欲』は、『欲が少なく、心が落ち着いている』という意味です。自分の利益や私利私欲にとらわれず、平穏で穏やかな態度を保つことを表します。『無欲無私』と似ていますが、こちらは特に心の穏やかさや欲の少なさに焦点が当たっており、精神的な側面を評価する表現です。
「私利私欲」の英語表現
「私利私欲」の英語表現は、以下の通りです。
【私利私欲の英語】
- self-interest:自分の利益や都合を最優先に考えること。
- selfish desire:他人のことを考えず、自分の欲望や願望だけを追いかけること。
「self-interest」の例文
「self-interest」は、自分の利益や都合を最優先に考えることを意味します。
日本語の「私利私欲」とほぼ同じ意味で使えますが、日常会話ではややカジュアルに、自分勝手さや利己心を表すときに使われます。

「私利私欲」を英語で表現した例文を教えて!

"He only helped us out of self-interest."のように表現することができます。
日本語訳:彼は、自分の利益のためだけに私たちを助けた。

ここでの 'self-interest' は、『自分の利益や都合のため』という意味です。『私利私欲』と同じように、他人のことより自分の利益を優先して行動している様子を表しています。
「selfish desire」の例文
「selfish desire」は、他人のことを考えず、自分の欲望や願望だけを追いかけることを意味します。
やや強い表現で、「自己中心的な欲望」というニュアンスが強いです。「私利私欲」を少し感情的に強調したい場面で使うことができます。

「私利私欲」を英語で表現した例文をもう一つ教えて!

"She acted out of selfish desire rather than helping others."のように表現することができます。
日本語訳:彼女は、他人を助けるよりも自分の欲望のために行動した。

ここでの 'selfish desire' は、『自分の欲望のためだけに行動すること』を意味します。『私利私欲』より少し強い批判的なニュアンスで、相手の自己中心的な態度を指摘するときに使いやすい表現です。
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