「既成事実」とは?意味・使い方・例文・英語表現までわかりやすく解説!

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既成事実(きせいじじつ)という言葉は、ニュースや政治、恋愛の話題などでもよく耳にします。
たとえば「既成事実を作って結婚に持ち込んだ」や「既成事実化してしまえば勝ちだ」といった形で使われることもあります。

では、この「既成事実」とは、具体的にどんな意味で、どのような場面で使うのでしょうか?
この記事では、意味・使い方・例文・類義語・対義語・英語表現まで、わかりやすく解説します。

ヒロト

昨日の会議、僕がトイレ行ってる間に方針決まってたんだけど…?

コトハ

それこそ“既成事実”ね。トイレの間に歴史は動くのよ。

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目次
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「既成事実」とは?基本の意味をわかりやすく解説

「既成事実」とは、きせいじじつと読み、すでに起こってしまっていて、変えることのできない事実。という意味があります。

既成事実の意味を辞書で調べると、このように解説されております。

【既成事実の意味】

  • すでに成立し、多くの人に認知されている事実や状況。

    「既成」はすでに確立されている、または成り立っていること。

四字熟語辞典より引用

辞書的な意味

既成事実(きせいじじつ)とは、すでに出来上がっていて、今さら変えることができない事実。
つまり、誰かの意思や計画によって、すでに物事が「決まってしまっている」状態を指します。
この言葉は、もともと「既に(すでに)+成った(なった)+事実」という意味から成り立っています。

使われる背景とニュアンス

「既成事実」は単なる“決まった事実”ではなく、
「意図的に決めてしまう」「先に行動して周囲を従わせる」
というニュアンスを含むことが多いのが特徴です。

たとえば政治の世界で「計画を既成事実化する」と言えば、
「反対が出る前に先に動いて、事実上もう決定した状態にする」という意味になります。

日常的なイメージ例

  • 恋愛では「既成事実を作る(=関係を既に成立させる)」
  • ビジネスでは「契約を既成事実化する(=もう実行に移してしまう)」
  • 政治では「政策を既成事実化する(=反対を封じるために先に進める)」

つまり、相手に“受け入れざるを得ない状況”を作るときに使われる言葉です。

ヒロト

「既成事実」ってどんなことを意味するの?もう少し詳しく教えて!

コトハ

『既成事実』はね、もうすでに起こってしまって、あとから変えることができない事実のことよ。誰かの行動や決定によって“結果的に決まってしまった状態”を指すの。

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「既成事実」の語源や由来

「既成」の意味から読み解く

「既成事実」という言葉は、
「既成(きせい)」と「事実(じじつ)」の2語から成り立っています。

  • 既成(きせい):「すでに成立していること」「すでに作り上げられていること」
  • 事実(じじつ):「実際に起こったこと」「現実に存在すること」

つまり、「既に作り上げられた事実」「すでに成立してしまった出来事」という意味を持ちます。

語源や由来

「既成」は、もともと「既に(すでに)」+「成す(なす)」という動詞から生まれた言葉です。
この表現は明治時代以降、政治や軍事の文脈でよく使われるようになりました。

特に、「既成事実化(きせいじじつか)」という使い方は、
第二次世界大戦前後の外交・国際関係の場面で多く見られ、
「まず行動を起こして、あとから事実として認めさせる」という意味で広まりました。

歴史的背景

政治や外交の分野で「既成事実」は、
「反対や調整を待たずに先に進めて、結果的に事実として受け入れさせる」
という戦略的な意味で使われてきました。

たとえば、領土問題や政策決定などで、
「実際に行動してしまえば、後から取り消すのが難しくなる」という現象を指して使われます。

このように、「既成事実」という言葉はもともと社会的・政治的な文脈から生まれ、
やがて日常語としても使われるようになった
のです。

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「既成事実」の使い方を例文でわかりやすく解説

それでは、「既成事実」の正しい使い方を具体的にイメージできるようわかりやすい例文をご紹介します。

ヒロト

既成事実ってどういう場面で使ったりするの?

コトハ

『既成事実』はね、恋愛なら“もう付き合っていることになっている”とか、ビジネスなら“計画を先に進めてしまう”みたいに、すでに決まってしまった状況を表すときに使うのよ。

既成事実

既成事実がよく使われる場面の一例
  • 恋愛の場面:「付き合っているような雰囲気を作り、既成事実にする」など、関係を“自然に成立させる”ときに使われます。
  • ビジネスの場面:上司や取引先に相談する前に行動し、「もう進めてしまいました」と報告するケースで使われます。
  • 政治・社会の場面:政策や計画を反対が出る前に実行し、「既に決まったこと」にしてしまうときに使われます。
  • 家庭や組織内の場面:会議での決定事項や、家族間の約束を“後から覆せないようにする”場合に使われます。
  • メディア・ニュースの場面:「既成事実化した」などの形で、事実を既に受け入れざるを得ない状況として報じるときに使われます。
使う時の注意点
  • 強引な印象を与えることがある
     「既成事実を作る」は、相手の合意を得ないまま進めるイメージを持たれやすい言葉です。
  • 恋愛では慎重に使う必要がある
     恋愛関係で「既成事実」というと、しばしば“肉体関係”を遠回しに指すこともあり、場面によっては不適切になることがあります。
  • 報道・政治では中立的な言葉ではない
     「既成事実化する」は「押し切る」「強行する」など、批判的な意味合いを含む場合があります。

既成事実の例文①

恋愛の場面で使う場合

ヒロト

最近、周りに『もう付き合ってるんでしょ?』って言われるんだよね。

コトハ

それはもう、既成事実になっちゃってるのかもね。

ヒカル

この場合の『既成事実』は、“本人の意思に関係なく、すでにそう思われている関係”という意味で使われています。

既成事実の例文②

ビジネスの場面で使う場合

ヒロト

プレゼンの内容、まだ課長に確認してないけど提出しちゃった。

コトハ

えっ、それって既成事実を作ったようなものじゃない?「

ヒカル

ここでは、“先に行動して、もう後戻りできない状態にした”という意味で『既成事実』が使われています。

既成事実の例文③

政治・社会の場面で使う場合

ヒロト

あの開発計画、住民の反対があるのにもう工事始まってるよ。

コトハ

政府は既成事実を作って、あとから認めさせるつもりなんじゃない?

ヒカル

この例では、“事実を先に進めてしまい、後から承認させる”という政治的ニュアンスの『既成事実』を表しています。

  • 「既成事実」は、すでに出来上がった状況を示す便利な言葉。
  • ただし使う場面によっては、強引・策略的な印象を与えることもあるため注意が必要です。
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「既成事実」の言い換え表現を例文を使ってわかりやすく解説

「既成事実」は少し堅い印象のある言葉ですが、日常会話ではより柔らかい表現に言い換えることができます。
ここでは、意味を保ちながら自然に使える言い換え表現を2つ紹介します。

【既成事実の言い換え表現】

言い換え①:「もう決まってしまったこと」

言い換え②:「あと戻りできない状況」

「もう決まってしまったこと」の例文

「既成事実」は、「すでに物事が決まっていて、あとから変えられない」という意味を持ちます。
そのため、「もう決まってしまったこと」という言い換えが自然です。
日常的で、会話やメールにも使いやすい表現です。

ヒロト

次の出張先、誰も聞いてないのに東京に決まってるらしいよ。

コトハ

え?それ、もう決まってしまったことなんだね。

ヒカル

『既成事実』の堅い響きを避けたいときは、『もう決まってしまったこと』と柔らかく言い換えると自然です。

あと戻りできない状況」の例文

「既成事実」は、“すでに行動してしまって引き返せない”という意味もあります。
このときは「あと戻りできない状況」と言い換えると、感情的なニュアンスを含めやすくなります。

ヒロト

もうチケットも予約したし、計画は止められないな。

コトハ

それって、完全にあと戻りできない状況だね。

ヒカル

ここでは『既成事実』を“進行中で止められない状態”として言い換えています。話し言葉でも使いやすい表現です。

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「既成事実」と似た意味の言葉(類義語)

「既成事実」に近い意味を持つ言葉には、「事後承諾」「現状追認」があります。
どちらも「後から受け入れる」「既に起こったことを認める」という共通点を持ちながら、
使う場面やニュアンスに違いがあります。

【既成事実の類義語】

類義語①:事後承諾(じごしょうだく):事前に許可を得ずに行動し、あとから承認してもらうこと。

類義語②:現状追認(げんじょうついにん):すでに起こっている状態を受け入れ、変更せずに認めること。

事後承諾」の例文

「事後承諾」とは、事前に許可を得ずに行動し、あとから承認してもらうことを意味します。
つまり、「先にやってしまって、あとでOKをもらう」という流れです。

「既成事実」と同じく、“後戻りできない状態を作ってしまう”点で共通していますが、
「事後承諾」は承認を求める立場のニュアンスが強いのが特徴です。

ヒロト

企画書、部長に相談せずに提出しちゃったけど、大丈夫かな?

コトハ

うーん、それは事後承諾になるね。でも結果が良ければ、認められるかも。

ヒカル

『事後承諾』は“あとから許可をもらう”という意味で、『既成事実』が“先に決めてしまう”のに対して少し控えめな表現です。

現状追認」の例文

「現状追認」とは、すでに起こっている状態を受け入れ、変更せずに認めることを意味します。
「既成事実」と同じく“あとから受け入れる”意味を持ちますが、
こちらは積極的に行動するのではなく、すでに起きた事実を仕方なく認める立場に近い言葉です。

ヒロト

新しいルール、誰も納得してないのにそのまま実施されるってさ。

コトハ

結局、現状追認になっちゃってるのね。

ヒカル

『現状追認』は“反対したいけれど、変えられないから受け入れる”という意味。『既成事実』と似ていますが、立場が“受け入れる側”である点が違います。

ポイント

言葉意味ニュアンスの違い
既成事実すでに決まってしまった事実行動によって事実を作る
事後承諾許可なしで先に行動し、あとで承認を求める許可を「後から」得る
現状追認起こったことを仕方なく認める受け入れ側の立場

「既成事実」と反対の意味をもつ言葉

「既成事実」には、辞書的に対応する明確な対義語は存在しません
しかし、意味の方向が反対になる言葉として、
未決定(みけってい)や仮定(かてい)、想定(そうてい)などが挙げられます。
これらは「まだ決まっていない」「実際には起こっていない」という意味を持ち、
「すでに決まってしまった事実」である「既成事実」と対をなす概念です。

【既成事実と反対の意味をもつ言葉】

未決定(みけってい):まだ最終的な判断や結論が出ていない状態

②仮定(かてい):まだ起こっていないことを仮にそうだと考えること

「未決定」の例文

「未決定」とは、まだ最終的な判断や結論が出ていない状態を指します。
「既成事実」が“決まってしまったこと”なら、「未決定」は“これから決まること”です。

ヒロト

イベントの日程、もう決まったの?

コトハ

いいえ、まだ未決定よ。

ヒカル

『未決定』は“まだ確定していない段階”を意味し、『既成事実』の真逆の立場にあります。

「仮定」の例文

「仮定」とは、まだ起こっていないことを仮にそうだと考えることです。
つまり、現実には存在しない“想像上の前提”を置くときに使います。
「既成事実」が“すでに起こったこと”であるのに対し、「仮定」は“起こるかもしれないこと”を意味します。

ヒロト

もし雨が降ったら、イベントは中止かな?

コトハ

それは仮定の話ね。まだ何も決まっていないから。

ヒカル

『仮定』は“現実に起こっていない想定”であり、すでに成立した『既成事実』とは対照的です。

ポイント

言葉意味「既成事実」との違い
既成事実すでに起こってしまった事実結果が確定している
未決定まだ決まっていない状態結果が未定の段階
仮定起こるかもしれない前提現実ではない想像上の条件

「既成事実」の英語表現

「既成事実」は英語では、文脈によって以下の2つの表現がよく使われます。

[既成事実の英語表現]

① fait accompliフェ・アコンプリ

② established fact(エスタブリッシュト・ファクト)

どちらも「すでに決まってしまったこと」「あとから覆せない事実」という意味を持ちますが、
使う場面やニュアンスに少し違いがあります。

「fait accompli」の例文

フランス語由来の表現で、英語でもそのまま使われています。
直訳すると「すでに成されたこと」で、“もう取り消せない決定事項”という意味です。
政治・ビジネスなどフォーマルな場面でもよく使われます。

ヒロト

『既成事実』を英語で表現するとどうなるの?

コトハ

fait accompli"という表現があるわ。たとえば、 “The merger became a fait accompli before anyone could object.”(誰も反対できないうちに、その合併は既成事実となった)みたいに使うの。

ヒカル

“fait accompli” は、“すでに起こってしまって変えられない出来事”を表す言葉です。フォーマルでニュース英語にもよく登場します。

「established fact」の例文

“established(確立された)”と“fact(事実)”を組み合わせた表現で、
すでに認められた事実」「明らかに確定したこと」を意味します。
“fait accompli”よりも日常的で、学術的・ビジネス文書でも使いやすい表現です。

ヒロト

『既成事実』の英語表現をもう1つ教えて!

コトハ

“It’s an established fact that the project will start next month.”(来月プロジェクトが始まるのは既成事実だ)と言えるわ。

ヒカル

“established fact” は“すでに認められた事実”という意味で、少し控えめなニュアンスになります。日常会話でも自然に使える表現です。

まとめ:「既成事実」は“すでに決まってしまったこと”を示す言葉


既成事実(きせいじじつ)とは、すでに出来上がっていて、あとから変えることができない事実を指す言葉です。
その背景には、「誰かの行動や判断によって、結果的にそうなってしまった」というニュアンスが含まれています。

政治・ビジネス・恋愛・日常会話など、あらゆる場面で使われる便利な表現ですが、
使い方によっては「強引」「押し切り」の印象を与えることもあるため、注意が必要です。

この記事のポイント

  • 意味:すでに起こってしまい、あとから変えられない事実。
  • 使う場面:恋愛・ビジネス・政治など「決まってしまった状況」を表すとき。
  • 言い換え表現:「もう決まってしまったこと」「あと戻りできない状況」
  • 類義語:「事後承諾」「現状追認」
  • 反対語的表現:「未決定」「仮定」
  • 英語表現fait accompli(フォーマル)/established fact(一般的)

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